エターナルダークネスの特長の一つは狂気を演出するサニティシステムである。これはキャラクターの正気を表すサニティメーターが敵を目撃したり、一般人を殺してしまったり、エターナルダークネスの章を読んでしまったりすると減り、結果、幻覚や幻聴がはじまり、それをプレイヤーも体験できるというものである。変哲もない自分の屋敷だったものが、壁に血が流れ、彫像は振り向き、本が飛び回る恐ろしい場所に見えてきたりする。そして気づかぬうちに世界は傾いている・・・
このサニティシステムはTRPGシステムである『クトゥルフの呼び声』のSAN(正気度)システムをもとにしたものだと考えられる。SAN(正気度)はサニティ同様にキャラクターの正気を表現する能力値である。この正気は別次元の存在や超自然の生物したときにSANチェックという正気を保てるかどうかの判定を行い、失敗すると減ってしまう。このとき失った正気度によっては一時的狂気や永久的狂気に陥ることもある。また、正気度が減るとSANチェックに失敗しやすくなるので、キャラクターは基本的に狂気に近づいていくことになる。このシステムにより精神的な恐怖が表現され。TRPGクトゥルフの呼び声に独自の奥行きを与えている。
エターナルダークネスのサニティシステムはこのSANシステムを簡略化したものだといえる。SANチェック自体はないが、ゾンビなどの怪物が視界に入るだけで邪悪な波動によりキャラクターのサニティは減少する。狂気の描写はビジュアルと音響で行われる。プレイヤーがどきりとするものも含めバラエティに富んだサニティ効果によって、他のアクションホラーとは一線を画した恐怖を味わえるようになったのだろう。